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未来をつくる家づくりノート①-1
第1シーズン 心地よい暮らしを考える
第1話
広い家より、「ちょうどいい家」が心地よい。
「せっかく家を建てるなら、大きな家がいいですよね。」
住宅のご相談をいただくと、ときどきそんなお話になります。
確かに、広いリビングや大きな収納には憧れがあります。
子ども部屋も一人ひとりに用意したい。
書斎も欲しい。
趣味の部屋もあったらいい。
家づくりを考え始めると、夢はどんどん広がります。
それは、とても自然なことです。
でも、わたしたちはこんな質問をすることがあります。
「その部屋で、どんな時間を過ごしたいですか。」
「広い」は、目的ではありません。
以前、ご夫婦とお話をしていたときのことです。
ご主人は「40坪くらいは欲しいですね」とおっしゃっていました。
理由を伺うと、
「せっかく建てるなら、広い方がいいと思って。」
一方で奥様は、少し考えてからこう話してくださいました。
「私は、掃除が大変にならない方がいいかな。」
どちらも間違いではありません。
広さを求める気持ちも、毎日の暮らしを考える気持ちも、どちらも家族を思ってのことです。
そこで一緒に、「どんな暮らしをしたいのか」を整理していくと、本当に必要な広さが少しずつ見えてきました。
最終的に完成した家は、当初イメージしていたより少しコンパクトでした。
でも、お引き渡しからしばらくして伺ったとき、ご主人が笑いながらこう話してくださいました。
「このくらいが、ちょうど良かったですね。」
その一言が、とても印象に残っています。
心地よさは、数字では測れません。
家づくりでは、
「何坪ですか。」
という話になることがあります。
もちろん、広さは大切です。
でも、本当に暮らしやすいかどうかは、坪数だけでは決まりません。
家族が自然と集まるリビング。
必要な場所に必要な収納があること。
冬でも暖かく、夏でも過ごしやすいこと。
毎日の暮らしの中で「これで良かった」と感じること。
そうした積み重ねが、「住み心地」になっていきます。
「余白」がある暮らし。
ちょうどいい家には、「余白」があります。
それは部屋が余るという意味ではありません。
暮らしにゆとりが生まれるということです。
掃除に追われない。
移動が大変ではない。
冷暖房の効きが良い。
家族の気配を感じられる。
そんな小さな心地よさが、毎日の暮らしを少しずつ豊かにしてくれます。
家は、見学するときよりも、住み始めてからの時間の方がずっと長いものです。
だからこそ、「住み続けたときの心地よさ」を想像することが、とても大切なのだと思います。
暮らしのヒント
住宅展示場へ行くと、開放感のある大きなリビングに目を奪われることがあります。
そんなときは、ぜひ一つだけ想像してみてください。
「10年後のわが家でも、この広さが必要だろうか。」
「掃除や冷暖房も含めて、この広さが心地よいだろうか。」
家の大きさではなく、暮らしの大きさを考えてみると、自分たちらしい家が少しずつ見えてきます。
次回予告
第2話では、「家事が楽になる家」について考えます。
でも、テーマは家事ではありません。
家事が楽になることで生まれる「時間」が、暮らしをどのように変えてくれるのか、一緒に考えていきたいと思います。
家づくりに正解はありません。
でも、ご家族らしい答えはきっとあります。
わたしたちは、その答えを一緒に考えていきたいと思っています。
あなたのおうちの話を聞かせてください。